model441製作裏話 [作品]
この数年、時間貧乏に拍車がかかってきていまして、どうも「忙しい」を言い訳にしていると、なんにもできなくなってしまうように感じておりました。そんで、だいぶお待たせした品物を納品したのをきっかけに、しっかりと創作活動に時間を作ろうと思いつき、今回の新作2台を製作しました。
実は、今回のmodel441、442は、作成当初は442だけを作る予定だったところ、思うところあって2作品を作成したのです。この「思うところ」とは、来月にリールを作って10年を経過することになるので、ボクの中で、記念作品としてのとりくみをしてみようと思ったことなのであります。
10年前を思いおこすと、当時、「欲しい」と思っていたのは、レナードミルズに代表されるレイズドピラーのリールでした。だから、いきなり作成に取り組んでみたわけです。しかし、やはり最初に作った品物なので、現在のボクの納得がいかない部分もたくさんあるわけです。これを修正しないまま放置しておくのは、モッタイナイ。そして、現在に至るまで、なぜか一度も作っていない。
そしてなにより、よく考えると、この手のリールはまだ欲しいと思っている自分がいるのです。
このさい、今のスキルで、もう一度同じタイプのものを作ったらどうなるのか、このさい比べてみようということで、取り組んだのでした。
いやー、こっぱずかしいですなあ~。かつての写真です。
デビュー作といえば、いろんな意味で自分を戒めるための鏡であるとボクは思います。そこには、情熱が沢山詰まっていて、同時に知識や技術が幼稚で狭量であることが多いからです。悪い意味だけではなくて、精神的な面では、忘れてはいけない部分もありますので・・・。
自分で言うのもなんですが、これを作っているときは、楽しくて夢中になって作っていました。当然、初めて製作するわけですから、リールを作るスキルはない。にもかかわらず、それこそ「情熱」をさまさぬままに作成して、曲がりなりにも完成してしまうわけですから、このエネルギーは賞賛すべきことだと思います。正直、少し慣れてくと、妙にスマートに物を進めたがって、やりもしないうちから面倒くさがるってことがよくあるんですよねえ。
ともあれ、ある意味「勢い」で出来上がってしまったデビュー作は、得てして、作成に苦労してはいるためか、前記した例外に漏れず、妥協の産物でありながら、出来上がったことに満足してしまうわけです。つまり、「頑張った」ことに目がくらんで、肝心な部分を見えなくなってしまうことがしばしばなわけです。
ボクがリールを作り始めて、最初の失敗は、リールに関して知識が乏しかったことです。まず、ボクの知っているのは、あまりに上っ面の知識でしかなく、歴史、つまり時間軸を知りませんでした。ボクのリールの歴史は、せいぜいシェークスピアのフルーガーメダリストやマーチンからなのです。ですから、先人の遡り方が今ひとつ不十分でした。当時ボクが参考にしたのは、ビルバランでした。当時、ビルバランはクラッシックな雰囲気を持つリールとしては、画期的でありまして、あの年代に出したという価値があったのだと思います。しかし、それは残念ながら本流ではなく、ごく一部を見ていたに過ぎず「井の中の蛙」であったことは否定できないのが現状です。
そんなわけで、10年後のボクが作ったのが今回のmodel441です。
デビュー作に比較すると、どうでしょうか。見えない部分では、ブレーキシステムがだいぶ成熟して、ライトラインの場合では、だいぶ自信がつきました。それから、デザインセンスは?加工技術は旋盤も良くなったので、向上してるとは思いますが・・・。
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