バーストック、マシンカットを考える [読み物]
フライリールで良く言われることなんですが、バーストックをマシンカットしました~的な表現って、よく見ますよね。
これって、よくわかんないけど、ちょっと「よさげ」と思えてしまうあたりが、コマーシャルのうまさなんでしょうなあ~。
今日はそれについて考えてみたいと思います。
まず、バーストックなるものの正体を考えてみましょうか・・。厳密に言うと、金属の方面に詳しい方に聞いたほうが間違いないですけど、 まあ、ざっくりとお話ししたいと思います。
バーストックって文字通りいったら、丸棒のことなんですよ。まあそれをマシンカット・・工作機械で切削しました ってことになります。
で、そうでないリールはなんなのかと考えた場合、良く比較されるのがダイキャスト製のリールでしょうかね。いわゆる鋳物です。鋳物の場合は、鋳型に湯を入れて、それが冷え固まったものです。
精度云々ということがよく言われますが、ボクは鋳物の精度もなかなかのもので、昔ならともかく、フライリールレベルで問題になるようなことはないと思ってますがね。
少し離れますが、金属には、組織がありまして、熱処理をしたり、鍛えたりすることで、その性質を変えることができるんですね。外見は同じでも、その処理によって、だいぶ性質が異なることがあるんです。
ホームセンターなんかに売っているアルミの形材の多くは、A6063という鋼種で、きわめてやっこいです。でも、6063がみんな柔らかいわけではないんです。おそらく、ホームセンターなんかの材は、「押し出し」材なんですが、同じ鋼種でも「引き抜き材」は、冷える間に鍛えられて、かなり調質が硬い感じになるんです。まあそれと熱処理とね・・。
ということで、バーストックの場合は、鋼種を選んで、調質を選んで、それから削り出せばいいのです。ある意味簡単なんですね。ところが、鋳物となるとそうはいかなくて、混ぜるモノのレシピとか、技術的なこととか・・いろいろと難しいらしいです。材料がかからない分だけ、技術がいるってことですかね。
さて、このバーストックですが、ボクの場合は、こんな感じで入手してます。
アルミの場合は、丸棒の定尺は、2mが一番短いモノなんですけど、ある程度の太さになると、鋼材屋さんで切断販売してくれます。
ボクの場合は、スプールに使うサイズでせいぜい1000mm、フレームに使うサイズでは、アルミで500mm、真鍮は高いので、300mmくらいの単位で入手しております。ちなみに鋼種はいろいろあるんですが、基本的に耐食性のあるものを使ってます。
ちなみに、手前がスプールの材料ですね。奥はフレームです。厚みはたった4mmですが、丸棒を使うほうが板を使うより、圧倒的にムダが少ないので、この厚みでも、丸棒のほうが便利なんです。
このあと、ボクの場合は、旋盤が多く活躍するのですが・・・・。
今の工作機械の実情からして、一般的にメーカー産のリールでは、旋盤というよりも、マシニングセンタで「じょばじょば~」っと切削しちゃうのが常でしょうねえ~。
だから、スプールはともかく、フレームについては加工中に「回る」ことないんでしょうねえ~。 それはある意味うらやましい・・・・。
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